
集合知と AI で、意思決定の仕組みそのものを作り直したい。
賛成 51・反対 49 で決まった物事は、決まった瞬間に 49 人分の考えが消える。49 人が間違っていたからではない。二つの案から一つを選ばせる形しか用意しなかったからだ。この取りこぼしを技術で拾えるようにしたい。関心の中心はここにある。
手掛かりは集合知にある。集合知とは、多くの人の考えを集めて、一人では届かない判断を作る仕組みを指す。台湾の政策づくりで使われた pol.is は、賛成と反対を集めて意見の地図を描く公開の議論ツールである。対立点ではなく、立場の違う人どうしが同時に賛成した意見を浮かび上がらせる。多数決を置き換える形は、すでに動くものとして存在する。
AI はこの領域を大きく変える。何万件の意見でも読めるし、似た主張をまとめられるし、議論のどこが噛み合っていないかを示せる。人手では回らなかった規模の合意形成が、成り立つようになる。
やりたいのは、意見の集め方・まとめ方・決め方を、システムとして作り直すことだ。そのために、まず AI と技術そのものを深く学ぶ。次に、作った仕組みを制度の内側へ持っていく。順番はこのとおりで、飛ばせない。
作ったものはオープンソースで公開する。誰でも読めて、直せて、使える形にしておく。仕組みが公共のものとして残ることが、目指す結果である。名前が残る必要はない。
GMO インターネットグループでは、AI 検索の研究とチーム運営を担当している。肩書きはチーフリサーチャー兼プロジェクトマネージャーである。明光ネットワークジャパンでは、社内で使うツールのプロダクトマネジメント(=何を作るかを決めて開発を進める役割)をしている。クリエイティブバンクでは、コンテンツディレクターとして記事の編集と制作を見ている。
学籍はロンドン大学ロイヤル・ホロウェイにあり、いまは休学して日本にいる。